泣きっ面に蜂

今日は少し可哀想な話を書きたいと思います。
一つの眼鏡がありました。
彼はパトリックと言う名前でした。
彼は人の気持ちを考える事が苦手でした。
そしてかなりのお調子者でした。
彼は人の気持ちも考えずに行動したため、人々から忌み嫌われました。
しかし、彼は人の気持ちを考える事が苦手でした。
そのうち一人、また一人と友達が離れていきました。
しかし彼の精神力は偉大なほど強靱でした。
離れていこうとする人にすがりついて離れませんでした。
そしてとうとう、誰も彼の前に現れなくなりました。
彼はひとりぼっちになりました。
彼は死ぬほどひとりぼっちが嫌いでした。
そして狂ってしまいました。
みんなが寝静まったころ、「そんなに俺の事が嫌いか!!」と叫ぶ声が聞こえました。
みんなが驚き、叫び声が聞こえた方に行くと、彼がいました。
手には刀を持っていました。
彼は「ぼひゃー!!」と叫び声をあげて、みんなに襲いかかりました。
みんなを殺せば自分から離れていかない、と考えたからです。
彼は武術の達人でした。
誰も彼にはかないませんでした。
彼の前に多くの人が倒れました。
もうだめだ、誰もがそう思いました。
そのとき一人の魔女が現れました。
彼女が呪文を唱えると、彼は我に還りました。
自分のした事を知り、彼はとても悲しい顔になりました。
そして、遅れてごめん、僕もそっちに行くよ。と呟き、刀で自分を刺しました。
立派な眼鏡は壊れてしまいました。
悲しいね。
彼のわがままは死ぬまで治りませんでした。
残った人々はそれから、もうこんな事が起こらないようにと、眼鏡を大切にしました。
おしまい。